サンドラ・ヘフェリン


「世界一ケチ」といわれるドイツ女性。でも日本女性よりずっと豊かに暮らしている。なぜ?


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義務的な節約生活は失敗する! - 2

大岡山ショーマッカー.jpg 私のある友人の母親は「神経質な掃除魔」です。彼女は家にいるときはいつも雑巾を手にしていて、すこしでも汚れが目につくと、せわしなくあっちを拭いたり、こっちを拭いたりしています。困ったことに、彼女は掃除ストレスからヘビースモーカーになっていました。そのせいで、白いカーテンが黒ずみます。そこで、彼女は洗濯をし、煙草を吸いながらアイロンをかけたカーテンを窓に吊ります。しかし、すぐにカーテンは黒ずみます。潔癖症である彼女はまた、洗濯をします。その繰り返しで彼女は悩み、さらに煙草の量が増えていきました。

 節約がムダ使いになった、典型的な例があります。

 私のある女友だちは、両親と三人で暮らしています。彼女の父親はモノを大切にするというより、捨てられない人でした。とくに、新聞、雑誌、広告の類を捨てようとしないのです。彼女たちは三つの居室があるマンションに住んでいましたが、その一部屋が山となった新聞紙に占拠されてしまい、やむをえず三人で二部屋を使うようになりました。狭苦しい空間に、彼女たちは音を上げました。

 新聞紙を捨てればことは解決するのですが、彼女の父親は、四部屋あるマンションに引っ越すことに決めました。広いマンションになるわけですから当然、家賃が高くなります。父親の間違った節約のために、彼女たちは大きな出費を余儀なくされてしまったのです。もちろん、新聞紙の山も彼女たちとともに引越して行きました。

 「捨てるのがもったいない」というのは、決して健康的な節約ではありません。「モノのガラクタ」は「心のガラクタ」になります。

 節約は、不必要なおカネを使わないことですが、私はもっと奥深い意味があると思っています。それは、「自分の人生で何が大切で、何がムダなのかを見極める考え方」だということです。

 ドイツ人および私個人にとっての「節約」の意味を、簡単に書いてみましたが、他にも、いまだからこそ、「節約」が重大な意味を持つことがあります。

 それは、「環境を守ること」と「自然な人間らしいライフスタイルの実践」に、「節約」が欠かせないということです。ドイツ人は日々、このことにも真面目に向き合っています。

 日本の方にもぜひ理解していただきたいので、「環境を守ること」と「自然な人間らしいライフスタイルの実践」についても、書いて行きます。

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