サンドラ・ヘフェリン


「世界一ケチ」といわれるドイツ女性。でも日本女性よりずっと豊かに暮らしている。なぜ?


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日焼けするにもケチ精神で
 〜 自分の乳首の色を目安にして肌を焼くドイツ女性 〜

第3章_日焼けもケチで.tiff 皮膚がとても弱いにもかかわらず、ドイツ人は公園や自宅の庭での日光浴が大好きです。それは太陽崇拝といってもいいでしょう。

 ドイツ人は太陽のイメージが強いところでバカンスを過ごします。日本人の旅行は、その地の文化を味わうといったカルチャーを大切にしますが、たいがいのドイツ人は、マジョルカ島やバハマのビーチで寝転がることを目的にしています。2週間のバカンスならその間中、肌をきれいに焼くことに時間を費やすのです。

 ドイツ人は顔だけでなく、全身を焼きたいという願望が強くあります。「ここだけ青白いなんてみじめ」と水着の跡が残っていることを嫌がります。

 だから、外国のビーチで全裸になって問題を起こすことがしばしばです。そのため、イタリアにはドイツ人専用の全裸になっていいビーチがあります。

 日焼けは「南の国にバカンスに行ってきた」と、見栄を張るのに充分な証明になります。ただし、日焼けはきれいな小麦色でなければなりません。そのために、ゆっくりと時間をかけて焼きます。

 ところが、この日焼けにしても、ドイツ人は持ち前のケチ精神をいかんなく発揮します。日本では、紫外線による肌のトラブルが問題になり、UVケアをうたった化粧品類がたくさん発売されていますが、なぜかドイツでは少ないのです。そのうえ、ドイツ女性はあまり日焼けクリームが好きではありません。日焼けクリームに含まれる成分のほうが肌に悪いと思っている人も多いからです。

 そこで、ドイツ女性は、自分の乳首の色を目安にして肌を焼きます。

 肌が日光にまだ慣れていない最初の日焼け時間は、乳首が淡い色の人は5〜20分、濃い色の人で20〜40分が目安とされます。このときは、日焼けクリームは塗りません。しかし、即効で日焼けしたい人は、日焼け止め指数のいちばん高いクリームを塗り、できるだけねばるのです。

 こんなことをするくらいなら、日本のように日焼けサロンに行けばいいのですが、ドイツではその手のものがほとんどありません。ドイツ人の性格からいって、そんなウソ焼きまでして、南の島へ行ったという見栄をはることができないのです。

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