アイロンがけと靴磨きが大好き - 1
ドイツでは、「よい主婦」とは食器をクリスタルのように磨く掃除上手を指します。しかし、食器だけではありません。住まいのすべての場所、とくに窓ガラスをいつもピカピカにしていると、たちまち「良妻」の評判が立ちます。
そんなわけですから、ドイツの主婦は、一般的に料理にあまりマメではありません。むしろ、自分で料理するだけマシ、と考えている主婦が多いくらいです。
正直なところ、掃除に時間がかかりすぎて料理まで手が回らないということもあります。また、日本のように「お料理が上手ですね」というホメ言葉が返ってこないので、つい手を抜くということもあります。
こうして、ドイツ料理といえば、ソーセージとジャガイモばかりということになってしまうのです。
だから、ドイツではキッチンに貼つであるカレンダーには、料理の献立予定表ではなく、家族の行動予定が書き込まれています。月曜日はママのテニス、木曜日は夫とダンスパーティといった具合です。
専業主婦ともなれば一日じゅう、食器磨き、窓ガラス磨き、キッチンとトイレ(バスルーム)の掃除、アイロンがけをしているといっても、いいすぎではありません。それにベッドメイキングにも余念がありません。
ドイツ人はアイロンがけにもうるさく、シーツ、下着、靴下など、人の目にあまり触れないものにまでアイロンをかけます。シワクチャのT シャツなどとんでもない、という雰囲気がこの国にはあります。