サンドラ・ヘフェリン


「世界一ケチ」といわれるドイツ女性。でも日本女性よりずっと豊かに暮らしている。なぜ?


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肥満女性の人権を無視している日本社会 - 1

肥満女性の人権_ボディショップ広告.tiff 私は典型的な欧米女性の体型をしています。

 日本女性はとにかく細くて華奢なつくりをしています。

 日本女性にそういうと、きまって「エーッ、そんなことないですよー」と否定されます。たとえ日本女性が太っているといっても、太り方がドイツ人女性とではまったく違う。とにかくドイツ人女性の太り方は、日本女性に比べてスケールが違うのです。

 そんな私が日本に来てピックリしたのは、服が小きすぎることでした。背が高いだけでなく横幅もあり、当時はいまよりもっとポツチャリ体型でした。

 ちょうどよさそうなブラウスやワンピースを着ると、胸のあたりがパンパンだったり、腕を上げると窮周さを感じてしまう。Lや江サイズでも、きついということがよくありました。ドイツでの私は、スモールサイズだったんだから!

 肥満のことで心にひっかかりを覚えました。日本社会が肥満女性の人権を無視して
いることです。男性がごく当たり前の顔をして、女性に「やせろよ」とよくいっています。

 テレビや雑誌を見ると、ドイツ以上に肥満に対して神経質になっているように思えます。日本のメディアも女性も、もっとやせるのがよいことだと信じているようです。多くの日本女性は太ってもいないのに、自分は太っていると思い込んでいます。

 ドイツ女性が皆、「日本女性が悩む肥満レベル」の体型であったなら、ドイツのダイエットをウリにしている美容関係の会社はすべて倒産してしまうでしょう。

 ドイツと日本では、「細い」の基準がまったく異なっているのです。

 私は太っていても素敵なドイツ人女性を何人か知っています。一人は私が学んだ学校の先生。当時の彼女は40代。ファッションセンスがとてもよく、鼻孔をくすぐるような香水の香りをいつも漂わせていました。太った身体は、彼女の存在感をもっと大きなものにしていました。

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