肥満女性の人権を無視している日本社会 - 2
私がギムナジウム(大学へ行くための中高等学校)の卒業試験(アビトゥア=大学入学資格試験でもある)の前にお世話になった、フランス語の家庭教師の方も素敵でした。年齢は50歳くらい。ミュンヘンで最もおしゃれな地域に住み、18歳の娘が一人いました。先生はボーイフレンドを持っていました。着ているものはセンスがよく、彼女がポコッと出たお腹にタイトスカートをはくと、信じられないかもしれませんがそれはもう素敵でした。
この二人を見ていて、彼女たちのようになれるのなら、40歳、50歳と年をとるのも怖くないと思ったものでした。それどころか待ち遠しいくらいでした。
しかし、日本では「素敵=細い」ということが浸透していて、太っている女性は素敵になれないといわんばかりです。この概念は危険だと思います。ちょっと考え直してほしい、感じ直してほしい、と思います。
『ザ・ボディショップ』の広告を目にした私は感激して、店内に入りパンフレットをもらっていました。身体と心のケアは必要で、ブクブク太るのはよくないにしても、健康的な自分の身体をもっと愛そう、というメッセージは本当に素晴らしいものです。
『ザ・ボディショップ」はリサイクルもしています。大きなボトルに入ったシャンプーやリンスを買い、使い切ったらそのボトルを持っていき、シャンプーやリンスを入れてもらいます。これはとても節約になります。
『ザ・ボディショップ」の商品は、ドイツ人の金銭感覚からすると決して安いわけではありませんが、会社のポリシーへの賛同から利用者が増えているのです。
私は友人・知人の誕生日パーティに呼ばれたときは、「ザ・ボディショップ』で購入した〈プレゼント袋〉を持っていきます。プレゼント袋は高いものから安いものまで価格帯に幅があります。相手の好みや趣味をあまり知らない場合でも、そのプレゼント袋なら喜んでもらえます(とくに女の子の場合)。石けんやシャンプーは、誰にとっても必需品だからです。
何事も自然のままであることを尊ぶドイツ人は、霧のなかを散歩すると肌によいと信じています。ドイツは雨が多いところですが、霧の日も、けつこう多いのです。しっとりとした冷気が肌にハリと潤いを与えてくれるような気がするのです。私もミュンヘンにいたころは、霧がよく出る秋になると意識的に散歩したものです。