日本の結婚式は、なぜおカネがかかる? - 1
ドイツ人は格式張ったしきたり、習慣や義理で、人間関係を結ぶことが大嫌いです。
もっとも、義理という日本語の持つニュアンスを、ドイツ語で完全に説明するのは大変難しいことです。「人間関係のルール」か「つきあい上のマナー」か「相手を思いやる心」ととらえるのが精一杯です。でも、それぞれに論理的な説明がつけられません。
義理には近づかないと決心した私ですが、困っているのは友人の結婚披露宴の招待です。日本人の友人が増えてくると、私の決心を試すような機会が増えてきます。なんとか理由をつけて、出席は遠慮させてもらっていますが、ときには、会費制とはいえ二次会には出なければなりません。
日本人の友人からこんな話をよく聞きます。
「サンドラ、大学時代の同級生の結婚式に招待されたんだけど、おカネがピンチで困っちゃうよ」
「二カ月間に三回も結婚式があって、いま金欠なの」
私はそのような愚痴を聞くと、
(招待をされた人は、幸せをつかんだ二人を祝福したいという気持ちをまず持たなければいけないのに、それよりもおカネの心配をする。日本の結婚式の制度は、もはや21世紀だというのに異常なものだ)
と、反射神経的に思ってしまいます。