ドイツ人は健康オタク
ドイツ人はありのままの形・姿を好みます。たとえば、自然については人間の手を加えない本来の美しさをそのままにしておきたい、壊したくないという考え方が強いのです。
また、身体によいものもとても好きです。色や形がよくても、農薬を使ったリンゴより、茶色がかって形が整っていない農薬なしのリンゴを選びます。日本と違って見た目のいいものが売れるということがないから、生産者や店は、そのことに腐心しなくてもいいのでラクだと思います。
環境と健康は節約に結びついていると述べました。いまのドイツ人を語るのに、健康を度外視するわけにはいきません。ドイツ人は大変な健康オタクなのです。
とくに若い人たちは健康にいい、肌にいい食生活に関心を高めています。その度合いは、日本人が健康に払うそれよりすごいものがあります。
ドイツ人はこうと思い込むと徹底する性癖があります。何かに懸ける意気込みがすごいといい換えてもいいでしょう。
子どものころから、他人からブスといわれ続けてきた女性の中には、きれいになりたいという願望を人一倍抱く人が少なくありません。そして、ファッション、髪型、しぐさなどについて研究を重ね、本当に他人が羨むほどの美人になってしまう人がいます。それは珍しくないことで、現に私はそういう女性を何人も知っています。
それと同じような意気込みを健康に対しても見せるのです。
ドイツの昔からの一般的な食事を紹介しましょう。
- 朝食:パン、バター、ハム。
- 昼食:豚の丸焼きとジャガイモ。
- 夕食:パン、バター、ハム(ソーセージ)、ビール
この食生活のため、ドイツ人に太っている人が多かったのです。その結果、心臓病などの成人病に悩む人が増えてきました。その反省からか、最近の若い人たちは徹底して健康的な食生活を追求しています。健康ときれいな肌と美しいスタイルを獲得するために、ベジタリアンになるドイツ人も増えてきました。
彼らは、子どもが肉や野菜など、いろいろなものを食べることに賛成していますが、ある程度の年齢になったら、肉から摂取する蛋白質は必要ないと考えています。身長は18〜19歳ごろに止まってしまうので、あまり多くの蛋白質を摂る必要はない、というのです。
ドイツのベジタリアンは、蛋白質を肉からではなく豆腐から摂っています。彼らの一般的な一日の食事は次のようなものです。
- 朝食:ミューズリ(オートミル、ナッツ、ケロッグを混ぜたもの)。あるいはオートミールをヨーグルト(牛乳)と混ぜて食べる。パンを食べたいときは身体にいい黒パン(日本にはない)。
- 昼食:ジャガイモや野菜料理や魚。
- 夕食:サラダとピザ。
おやつが欲しければ、バナナやリンゴを食べます。幼稚園に親が子どもに持たせるおやつもバナナかリンゴが多い。バターミルクを飲むこともあります。バターミルク、オートミール、黒パンはドイツでは健康によい食品とされ、とても好まれています。