サンドラ・ヘフェリン


「世界一ケチ」といわれるドイツ女性。でも日本女性よりずっと豊かに暮らしている。なぜ?


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コンビニはゴミの山?

 伝統的な習慣がムダ使いの元凶なら、利便性を追い求める近代性にも同じことがいえます。また、人間にとっての便利さは、人間の際限のない欲求と技術革新によるモノの氾濫でわかるように、いま、地球に大きな負荷を与えています。

 21歳のとき、9年ぶりに再来日した私は、東京がコンビニエンスストアにすっかり占領されていることに驚きました。ひとつの通りに何店もある。しかも、店と店の間の距離はさしてない。コンビニで食べ物を買った人たちが歩きながら食べる。日本の街はドイツとは違ってゴミ箱があまり設置されていない。

 ドイツでは、いつでもどこでも買い物ができるのはいいことだ、と思う人があまりいません。また、一人分や一回分が便利、少量がお得、あるいは逆に、上品といった考え方もありません。ひとつひとつが安くても、何回も買うことで結局は高くつくと考えるからです。

 そのうえ、ドイツ人は生活の中で「環境を守るための行動」「環境を救うための行動」をとることに違和感を持っていません。それだから、ドイツ人は便利さ、気軽さを理解できても、日本のコンビニを「使い捨てをモットーにしている存在」と見るでしょう。そして、環境に悪いものだと判断するでしょう。

 日本人にとっては、消費者の多様なニーズに合わせたきめこまかいサービスとなるのですが、多品種の一人用食品パッケージは、ドイツ人には絶対に受け入れらない代物なのです。一個ずつセロハンに包まれたおにぎり、ラップで覆われ発泡スチロールのトレイにのったポテトサラダ、スパゲッティなどなど、ドイツ人はその品揃えから、大量のゴミを即座に連想してしまいます。きついことをいうようですが、コンビニの陳列棚に並んだ商品がゴミの山に見えてしまうのです。

第1章_ミュンヘンの中央市場.tiff ヨーロッパにしろアメリカにしろ、一人用一回分、四人家族用一回分と小分けされた食料品はほとんどありません。パックされていたとしても、その量は日本のものよりとても多いのです。四人家族だと一回で終わってしまう紙パック入りの牛乳などはないのです。その結果、廃棄するものが少なくてすむことになります。というわけで、ドイツ人の結論はこうなるのです。

  • 安い少量のものを何回も買うよりも、一回で多くの量のものを買ったほうがお得
  • ゴミが少ないので環境を守ることになる


 このように、ドイツ人は暮らしと資源の面での節約を考えています。

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第1章_よい歩き方と悪い歩き方.tiffMT0006歩き方レッスン.pdfコラム6_走るためにご飯は最適!?.tiff

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